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様々な精神病の種類を理解して適切に接する方法

様々な精神病の種類を理解して適切に接する方法

自分の周りで心の風邪をひいている人はいらっしゃいませんか?最近ではだんだんと認知度が上がってきて精神病などよく耳にするようになりました。でもいろんな種類の精神病の名前を聞いても、自分がかかったことのない病名だとよくわからないのが現状です。

自分の近しい人が落ち込んでいたり悩んでいたりしても、理解していないと励ましてあげるつもりで逆に傷つけてしまいかねません。そこで今回は精神病の種類や症状を理解し、その病名の人にどのように接したら良いのかを一緒に学んでいきましょう。



 

様々な精神病の種類を理解して
適切に接する方法

 

精神病の定義とは


精神病の定義とは、精神的な病気全般を表す『mental disease』や『mental illness』の口語的な訳になります。現在の医学的な定義では精神障害のことを指しますね。ちなみに健康に見える人でも生涯において5.8%も精神病体験をしていると言われています。

また日本では精神疾患に関する2つの法律があります。それぞれで定義と括りが違ってくるので、違いを見ていきましょう。

 

精神疾患に関する法律


精神疾患に関する法律は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)と、障害者基本法があります。

・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
精神保健福祉法では精神障害を統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有するもの、として定義しています。

・障害者基本法
障害者基本法では、精神障害者は精神障害があるため、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者、と定義しています。

それぞれの捉え方として、精神保健福祉法は医学的な視点のもとで障害を持っていると判断された人は治療しましょう、という患者扱いの強い傾向にあります。また、障害者基本法は福祉的な視点のもとで障害があることによって社会との関わりの中で制限されていることに対して多角的に手助けしていこう、という傾向にあります。

現在も2つの法律がありますが、最近では福祉的な見方で接していく方が主流になりつつあるようですね。

 

精神病の分類


精神病を分類すると大まかに4つに分けられます。

・身体疾患による精神病
認知症または、脳損傷や脳機能不全のような脳疾患において出現する症状で、記憶、計算、判断、理解、見当識といった高次機能に障害がでるものです。

・物質誘発性精神病性障害
アルコール、アンフェタミン類覚せい剤、大麻、有機溶剤、コカイン、フェンシクリジンなど、治療薬の乱用や毒物などから誘発される精神病の障害です。原因になりうるものが多く、また現れる障害も、幻覚、幻聴、幻視、幻触、幻嗅、と様々です。

・心因を主とする精神病
ストレスなどの心的要因によって起こった心の病のことです。心因性の精神障害にはノイローゼ、心身症、一部の鬱など、最近ではよく耳にする病名が多いのではないでしょうか。・その他原因のない精神病精神病は『原因が脳自体にある』と思われていますが、いまだに原因は明確になっておらず、特定することが難しいものもあります。

 

精神病の症状と接し方


それではよく聞く病名など深く掘り下げていきましょう。

・アルコール依存症
大量のアルコールを休みことなく長期間飲むことによって、お酒がないと自分が保てない、お酒がないと人と接することが怖いなど、お酒に頼ってしまいお酒が手放せなくなる依存症のことです。

アルコール依存症になると精神面にも身体面にも影響が出てしまうので、社会生活を送ることに支障が出てきます。症状としては、イライラ、神経過敏、不眠、頭痛、吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈動悸、などがあります。

アルコール依存症は本人がその害悪を理解し断酒を決断しなければ、他人にはどうにもできません。接し方としては、本人が自分でアルコールを辞めようと決断しない限り、脅したり、責めたりせず、ゆっくりと見守ってあげることが大切ですね。

・うつ病
精神的なストレスや身体的なストレスが積み重なり、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳が前向きに考えることができなくなってしまうので、ものすごく悲観的で気持ちが閉ざされている状態になり、自分がダメな人間だと被害妄想的に感じてしまいます。

自傷行為に走ってしまう人もいます。うつ病の人への接し方として有効なものは、嫌な記憶を忘れられるような環境を作ってあげることです。特にしてはいけない接し方として、うつ病の本人を否定するような言い方をする、なぜうつになったのか症状などを聞き出そうとする、奇異や好奇の目で見ない、仕事の話をしない、叱咤激励する、などです。

これらはうつ病の人にとって、自分でも自己否定をしてうつ病になってしまった、のにさらに傷口に塩を塗る行為、にしかなりません。あくまで普通に接しましょう。

・解離性障害
通常まとまっている自分自身であるという感覚(思考、記憶、感情、行動)がバラバラでまとまらない状態です。多重人格障害(解離性同一性障害)もこのうちの一つです。

記憶がすっぽり抜け落ちていたり、知らないうちに違う場所にいたり、楽しいことをしているはずなのに楽しいと思えなくなってしまったり、など症状は様々で、辛い体験から自分を切り離そうとする防衛反応の一種だといわれています。

解離性障害を呈している本人は解離症状に気づいていないことが多く、解離症状のせいで約束を守れなかったりすることが多いです。ですが、外からはわからない症状なので、理解をもって接してあげ、社会との接点がなくならないように気をつけてあげましょう。

・強迫性障害
あることが頭からどうしても離れず、ある行為をしないではいられない、強迫観念と脅迫行為を繰り返してしまいます。具体的な例を挙げると、手が汚いからと過剰にひたすら手を洗い続ける、鍵が開いているのではないかと戸締りの確認を何度も繰り返しおこなう、などがあげられます。

潔癖症と心配性に似ていますが、強迫障害は本人がおかしいと思えるほどの状態になってしまいます。症状に苦しんでいるのは本人です。本人ではやめられないことを理解して接してあげましょう。自力では治せない症状なので、一緒に病院に行き医師から心理教育を受けることにより、相手の病気を早く理解することができるでしょう。

・睡眠障害
寝つきが悪くなり眠たいのに眠れない『入眠障害』いくら眠っても寝た感じがしない『熟眠障害』日が昇り切っていない早朝に目が覚め睡眠時間が短くなる『早朝覚醒』寝ても途中で何度も目が覚めてしまう『途中覚醒』など、睡眠障害と言っても種類があります。

睡眠の問題は日中の生活面や精神面の問題に関連している場合が多いです。薬によるもの、生活習慣、精神的なもの、など原因は様々なので、その原因によって治療法も異なります。普段からプレッシャーをかけないように心掛けて接してあげることが大切です。

・摂食障害
食事をほとんど取らなくなる『拒食症』と、極端に食べてしまう『過食症』の二通りがあります。過食症の特徴はいったん食べ始めると止められない、食べ物のことばかり考えてしまうことです。短時間に一気に食べて吐いたり、食べ過ぎたことを後悔して憂うつになったりします。

拒食症と過食症は似ており、痩せたいのに食べてしまった、と後悔して吐き戻しを繰り返し過食症になってしまう場合もあります。悩みやストレスで症状がでてしまう場合もあるので、苦しんでいることを受け止め負担にならない程度にできる範囲のことを手伝ってあげましょう。

話をたくさん聞いてあげることもいいと思います。責めるような言葉は使わず、ゆっくりとした気持ちで見守ってあげましょう。

・双極性障害(躁鬱病)
うつ病に似ている症状ですが、しばらくふさぎ込んでいたと思ったら極端に活発になる時期があるのが特徴です。ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す状態が双極性状態です。

日頃の様子や気分の波をしっかり観察し、躁状態に気付いてあげることが大切です。なぜなら躁状態のときは興奮していて普段の本人ではしないようなことをしてしまいがちです。興奮をヒートアップさせないように諫めてあげるようにし、社会から孤立しないようにしてあげてください

・適応障害
ある特定の状況や出来事が本人にとってとても辛く感じられ、適応できずに気分や行動に症状が現れるものです。具体的には、憂うつな気分になる、不安感が強くなる、涙もろくなる、過剰に心配する、神経が過敏になる、というような症状が出ます。

この症状が原因で会社を無断欠席したり、無謀な運転をしたり、物を壊したり、という行動をしやすいです。ですが、ストレスの原因がはっきりしているので、そのストレスから離れることで症状は改善していきます。

人それぞれ価値観や常識は違い、どんな環境であってもその環境に合わない人もいる、ということを理解して認めてあげてください。本人にストレスやプレッシャーになるような発言などは避けてあげましょう。

・統合失調症
昔は精神分裂症と呼ばれていましたが、統合失調症を名前が改められました。症状としては、心や考えがうまくまとまりづらくなってしまい、気分や行動に影響が出て人間関係を構築することが難しくなってしまいます。

陽性症状と陰性症状があり、陽性症状は健康な時にはなかった幻覚や妄想などといった症状が現れます。陰性症状は健康な時に合ったものが失われる、意欲の低下、感情の表現が少なるといったことがあげられます。

本人は気づきにくいので、様子に気づいた時には早めに専門機関に一緒に行ってあげることが大切です。本人の話をよく聞いて受け止めてあげましょう。

・認知症
脳の記憶や思考をつかさどる機能が著しく低下してしまう病気です。アルツハイマーという言葉はよく耳にするのではないでしょうか。高齢者に見られやすい症状ですが、最近では若い層でも見られるようになってきました。

アルツハイマー性認知症は、男性より女性に多く見られます。脳の機能が一部委縮していくのが特徴です。また男性に多く見られるのは血管性認知症です。一部の記憶は保たれており、一部が欠損したような記憶になるまだら認知症といえる症状が特徴です。

症状が重くなると、憂うつ感、外に出たがらない、何をするにしても気力がない、被害妄想が激しくなる、話が通じなくなる、通りなれた道で迷子になる、レジでお釣りやお金の計算ができなくなる、などと様々な症状が出ます。

認知症にかかってしまうと以前よりも物事をうまく行うことが難しくなってしまうので、急かしたり強要したりせずゆっくり見守ってあげることが大切です。まずは信頼関係を気づきましょう。本心を隠さずなんでも話してもらえる間柄になってください。

・パーソナリティー障害
大多数の人と違う反応や違う行動をしてしまうことを本人が悩んでいたり辛い思いをしたり、そのような行動で周りが困ってしまったりするケースに診断されます。

パーソナリティーとは、物事の考え方や捉え方、感情の起伏、衝動のコントロール、対人関係の構築の仕方など、自分を形成するもののことを指しますが、その機能に偏りがあることから起こる障害です。

本人に悪気はなく、性格が悪いわけではありません。パーソナリティー障害の人は衝動的な行動をとりやすいので、我慢する心を錬成させましょう。また、パーソナリティー障害の人の気分はめまぐるしく変化しますので、いつもと変わらない態度で接し、本人の気分の渦に飲み込まれないようにしましょう。

・発達障害
生まれつき脳の発達が通常と異なっているため、物事を他人と同じように捉えて行動できないことが多く社会生活に困難が生じる障害です。コミュニケーションがうまく取れなかったり、不注意、多動、衝動性の症状が見られたり、発達の遅れがあったりします。

まずは脳の病気で、発達の障害だと認めて接してあげることが大切です。また、得意なことに対して評価して褒めてあげ、お願いしたいことなどは前もって具体的に伝えるとスムーズにいきやすいです。苦手なことを克服させようとするのではなく、こちらが余裕をもって接してあげましょう。

・不安障害/パニック障害
突然理由もなく、動機やめまいがする、暑くないのに汗がとまらない、息苦しい、吐き気がする、手足が震えるといった生活に支障が出てしまう状態です。この状態をパニック発作といいます。

心の根底に恐怖を感じている、ストレスを感じているような原因があることもあります。病気のことを理解しようとする言動を見せてあげ、絶対に無理強いをさせないことです。パニック発作など出やすい場所に行く際などはできるだけ付き添ってあげ落ち着かせてあげられるようにすると良いですね。

・PTSD
Post Traumatic Stress Disorderの略で、『心的外傷後ストレス障害』と言います。強烈なショック体験や強い精神的ストレスが原因で、その体験に対して強い恐怖を感じます。

突然その体験を思い出し(フラッシュバック)不安や緊張が続き、めまいや頭痛が出たり、眠れなくなったりという症状が何か月も続くとPTSDだと診断されます。

接する側が感情的になってしまうとますます本人は混乱してしまうので、冷静に接してあげましょう。どんな環境が安心できるのか話し合い、安心できる環境に近づけてあげることが大切です。

・薬物依存症
大麻、麻薬、シンナー、などの薬物に依存してしまっている状態です。薬物を繰り返し使いたい、やめようと思ってもやめられないのが特徴です。薬物依存症には精神的依存と身体的依存があり、どちらも薬の量が増えていってしまいます。

精神的依存の場合、特定の薬物を渇望するようになりその薬が手に入らない場合落ち着かなくなり薬物のことばかり考えます。身体的依存の場合、その薬物を摂取しないと落ち着かないようになります。

イライラして暴力をふるうこともあるので、相手を受け入れ刺激するような発言は控えるようにしましょう。またおおらかな気持ちで温かく接してあげることが大切になってきます。どうしても支えきれなくなってしまったら、民間団体や、支援団体などもあるのでそちらを頼ってみてもよいと思います。

・性同一性障害
性別の不一致感からくる症状で、悩んだり、落ち込んだり、気持ちが不安定になったりします。身体は女性でも心は男性、逆に身体は男性でも心は女性といった体と心の乖離(離れ離れになっていること)を確信する現象の障害です。

認知は進んできていますが、まだまだ診断や治療ができる病院は少ないです。治療も精神療法、内分泌療法(ホルモン療法)、外科的治療、と段階を踏んでからになってしまうのでどうしても長期化します。

今まで自分の身辺に性同一性障害の人がいないと対応に困ってしまうかもしれませんが、あまり性別は意識せず、ありのままのその人の人となりを見て、その人を認めて上げ自然に接してあげましょう。

・てんかん
突然意識を失って反応がなくなる『てんかん発作』を繰り返す病気です。1000人に5~8人は居ると言われています。てんかん発作は、脳の一部の神経細胞が突然一時的に異常な電気活動を起こすことにより生じ、治まったら元通りの状態に回復します。

社会生活をするうえで、適切な抗てんかん薬を服用することで問題なく生活を送れます。まれに抗てんかん薬が効かず外科治療など専門的な治療を必要とする場合もあります。もしてんかん発作で周りの人が突然意識を失ったり、けいれんを起こしたりしても、慌てずまずは冷静になることです。

てんかんの発作は1分~数分で治まり、10~20分以内に意識が回復することがほとんどなのですぐに救急車を呼ぶ必要はありません。てんかんだからと言って特別な接し方をする必要はなく、発作が出たら冷静に対処してあげると良いですね。

 

以上、様々な精神病の種類を理解して適切に接する方法を紹介しましたが、いかがでしたか。

様々な精神病の種類を理解して適切に接する方法を一緒に見ていきましたが、意外と身近にその症状の人いるな、と思った方も多いのではないでしょうか?適切な接し方や対応方法など、もしも身近にいるのであれば少しでも病気について理解し、親身になってあげてください。

きっとあなたの優しさが薬になることがあると思います。深刻に悩んでいる人にはぜひ専門の医療機関をお勧めしてあげてくださいね。

 

まとめ

様々な精神病の種類を理解して適切に接する方法

・ 精神病の定義とは
・ 精神疾患に関する法律
・ 精神病の分類
・ 精神病の症状と接し方